【アンナ・マグダレーナ・バッハの日記(1968)】‐音楽を題材にしたノンフィクション映画

アンナ・マグダレーナ・バッハの日記

[監督]ジャン=マリー・ストローブ
ダニエル・ユイレ
[原題]Chronik der Anna Magdalena Bach
[脚本]ジャン=マリー・ストローブ
ダニエル・ユイレ
[音楽]レオ・レオニウス
[撮影]ウーゴ・ピッコーネ
サヴェリオ・ディアマンテ
ジョヴァンニ・カンファレッリ
[出演]グスタフ・レオンハルト
ニコラウス・アーノンクール
[ナレーション]クリスチアーネ・ラング・ドレヴァンツ
[製作年]1967年
[製作国]西ドイツ・イタリア合作
[上映時間]94分
[ジャンル]ノンフィクション


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レオンハルトやアーノンクールなど一流の古楽器演奏家たちが、厳密な考証のもと、当時の衣装・かつらを着用したうえで教会や家屋で演奏および演技をし、大作曲家バッハ(1685-1750)の半生と日常を妻アンナのナレーションで回想していくバッハの伝記音楽映画。

演奏する音楽家たちのみの出演で、わずか100足らずのショットによって構成されている。
バッハの作品が作曲された年月にそって演奏され、1727年バッハの2度目の妻となったアンナ・マグダレーナが、1756年に亡くなるまでの彼の創造的苦悩、家庭でのアンナや子供たちへのふるまいを語る。
多くの演奏シーンは編集なしで一発撮りされており、楽器や声のピッチの乱れがあることが、ライブ感をあらわしている。

演奏される作品
<ブランデンブルク協奏曲第5番BWV1050第一楽章アレーグロ>
<「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集」より第8プレリュードBWV854>
<メヌエット・フランス組曲第1番第6曲BWV812>
<ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ第2番BWV1208第1楽章アダージョ>
<オルガン・トリオ第2番BWB526第2楽章ラルゴ>
<マニフィカトBWV243第11・12曲>
<テンポ・ディ・ガボックパルティータ第6番第6曲BWV830>
<カンタータ第265番「破れ、砕け、こぼて」BWV205第2、3曲バス・レチタティーヴォとアリア>
<カンタータ第198番「候妃よ、さらに一条の光を」BWV198終結合唱>
<ケーテン候葬送音楽BWV244 ソプラノ・アリア>
<マタイ受難曲BWV244冒頭合唱>
<カンタータ第42番「この同じ安息日の夕」BWV42冒頭シンフォニーアとテノール・レチタティーヴォ>
他全24曲。

それにしても、ここに流れている音楽は素晴らしい。“いびつさ”(正にバロック的)が、この映画には満ちあふれていて、機械のような正確さを志向しがちな現代の演奏とは違った、手工芸品のような音楽体験が味わえ、血の通った人間の営みとしてのバロック音楽を感じさせる。草創期の古楽器演奏家たちの情熱的な演奏も、観る者を釘付けにするに十分な迫力がある。この映画はいまでも、私たちがバッハの時代に想像力を飛翔させるための、大きな助けになるだろう。【林田 直樹】

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