10月20日1958年【Ⅰ.ポゴレリッチ】

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イーヴォ・ポゴレリッチ
Ivo Pogorelich

[ピアニスト/クロアチア]
1958年10月20日 - 65歳
ショパンコンクールで本選に進めなかった結果に反対して、アルゲリッチがその後の審査を辞退したことや、20歳以上年上のピアノの師である女性と結婚したことなど、センセーショナルな話題として世界にその名が広まりましたが、その実力は間違いないもので、独特な演奏解釈で世界を魅了しています。
 


ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番&ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第22・24番

バッハ:イギリス組曲 第3番 BWV808 

経歴

1958年 旧ユーゴスラヴィアの首都ベオグラードにて、クロアチア人の父イヴァンとセルビア人の母ダリンカの間に生まれ る。父イヴァン・ポゴレリチはコントラバス奏者・指揮者。
1970年12歳 親元を離れ、モスクワ中央音楽学校に留学。
1975年17歳 中央音楽学校卒業、モスクワ音楽院に進学。伝統的な演奏に反発し、また服装や発言も目立ち、3度にわたって音楽院を退学処分寸前になる。
1976年18歳 著名なピアニストで教育者のアリザ・ケゼラーゼ(1937‐1996)に師事。
1980年22歳 数々の国際コンクールでの優勝に続き、第10回ショパン国際ピアノコンクールに参加するが、独特の演奏解釈から本選落選。それに反対した審査員の一人M.アルゲリッチ(1941‐)が審査員を辞任をし、パウル・バドゥラ=スコダ(1927-2019)をはじめとする他の数名の審査員もアルゲリッチの意見を支持し、急遽ポゴレリチに審査員特別賞を与えた。これにより「ポゴレリッチ事件」として一躍世界的に名が知れ渡る。

F.ショパン:スケルツォ第2番

ショパン:バラード第2番

コンクール後、ドイツ・グラモフォンと契約、F.ショパンM.ラヴェルなどアルバムを多数リリースした。アルゲリッチがショパン国際ピアノコンクールの審査員に復帰したのはこの20年後、2000年である。
同年22歳 師である43歳のアリザ・ケゼラーゼと結婚。彼女は夫と息子がおり、一度はプロポーズを断ったという。


ラヴェル 夜のガスパ-ル

 

1981年23歳 ニューヨーク・カーネギーホールでリサイタルデビュー。以降、ベルリン・フィルウィーン・フィル、ロンドン響、パリ管、シカゴ響、ボストン響など世界有数のオーケストラと共演を重ね、世界中で活躍する。
1982年24歳 クロアチア、ヤング・ミュージシャンズ・フェローシップを設立。
1983年6月24歳 初の来日公演。以後度々来日公演を行う。
同年8月24日 アメリカ、ハリウッドボウルにて野外コンサートを開催、2万5千人が詰めかける。

卓越したテクニックをもち、楽譜のテンポ指定より極端に遅く弾いたり、強弱の指定を真逆にしたり、伝統的解釈を無視した演奏と美しい容貌から、多くの熱狂的ファンを生み、世界中でリサイタルは満員となり、録音は好セールスを記録する。


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1984年3月16日25歳  演奏会と録音を前提に、カラヤン指揮のウィーン・フィルチャイコフスキー『ピアノ協奏曲第1番』を試演するが、最初のリハーサルでカラヤンと決裂、2日後に予定されていた演奏会にポゴレリッチは不出演。
同年5月20日 ウィーン音楽祭で小澤征爾指揮ウィーン・フィルとショパン『ピアノ協奏曲第2番』共演。

ショパン:ピアノソナタ第2番

1986年28歳 クロアチアに若い演奏家をサポートするための財団を設立。
1988年30歳 ユネスコ親善大使に任命。
1989年31歳 ドイツのバート・ヴェリスホーフェンで第1回ポゴレリッチ音楽祭を開催し、若い音楽家たちに著名な演奏家と共演する機会を与えている。また赤十字やサラエヴォ再建、癌や硬化症と闘う人のためチャリティ・コンサートを行う。
1991年6月32歳 クロアチアがユーゴスラヴィア連邦からの独立宣言をきっかけに、クロアチア人とセルビア人の間に内戦勃発。彼は母の故国セルビアと訣別し、クロアチア人として生きることを選択した。
1993年12月35歳 アメリカ、パサディナにて、イーヴォ・ポゴレリッチ国際ソロ・ピアノ・コンクールを創設。
1994年36歳 サラエヴォ・チャリティ財団を設立。
1996年2月37歳 妻のアリザ・ケゼラーゼが肝癌により59歳で亡くなる。以降長らく低迷期が続く。
2005年47歳 数年間の療養期間を経て、6年ぶりの来日公演を行う。

現在はスイスに在住。バロックから近代まで幅広いレパートリーで活躍を続けている。


Complete Recordings

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