『アイーダ』 – オペラを知る

クラシック音楽情報【オペラを知る】

歌唱、オーケストラ、演技、衣装、舞台、演出…と総合芸術といわれるオペラ。
上演時間が長い、チケット代が高い、内容がわからない…など、クラシック音楽の中でも敷居が高いと言われます。

でも
こんなに奥深いオペラを愉しまないのは
もったいない!

主なオペラ一覧は こちら

アイーダ
Aida

古代エジプトの戦士ラダメスと敵国エチオピアの王女アイーダの悲恋を描いたヴェルディの祝祭的大作。
世界で最も人気の高いオペラの一つ。

第2幕2場 凱旋の場で歌われる『凱旋行進曲』は、サッカーの試合で使用されるなど単独でよく知られる。

【作曲】 ジュゼッペ・ヴェルディ
Giuseppe Verdi(1813-1901)
【原案】オギュスト・マリエット
【原台本】カミーユ・デュ・ロクル
【台本】アントニオ・ギスランツォーニ
【言語】イタリア語
【初演】1871年12月24日 カイロ劇場
【委嘱元】エジプト総督イスマーイール・パシャ(1830-1895)
【上演時間】全4幕7場(3回幕が下り、6回の場面転換)
約2時間20分(各40分、40分、30分、30分)

新国立劇場ダイジェスト映像
演出:フランコ・ゼフィレッリ(1923‐2019)

主な出演者

アイーダ(ソプラノ):エジプトの女奴隷(エチオピアの王女)
ラダメス(テノール):エジプト軍の衛兵隊長でアイーダの恋人
ファラオ(バス):エジプト国王
アムネリス(メゾソプラノ):エジプト王女、ラダメスを愛している
ラムフィス(バス):エジプト祭司長
アモナズロ(バリトン):アイーダの父エチオピア王 エジプトの捕虜になる
使者(テノール): テーベからの戦況報告者

あらすじ

【第1幕】
-第1場- メンフィスの王宮

エチオピアの侵略軍が、エジプト領内に侵入し襲撃しているとの情報に、司祭長ラムフィスは、「女神イシスの神託により、エジプトの軍の最高指揮官が決まった」と告げる。
エチオピア王女でありながらエジプトの奴隷となっているアイーダと恋仲であるエジプト戦士ラダメスは「最高指揮官が私なら、アイーダに祖国を返してあげたい。」と彼女への熱い想いを歌う。

清きアイーダ
Celeste Aida』
ラダメス:ルチアーノ・パヴァロッティ(1935-2007)

ラダメスに想いを寄せるエジプトの王女アムネリスは、ラダメスの態度からアイーダとの恋仲に気づき、激しく嫉妬する。

国王ファラオ以下エジプトの軍人や司祭たち、そしてテーベからの使者が登場、使者の報告を聞いた後、国王はラダメスを最高指揮官に任命する。

一同はラダメスに「勝利者として帰還せよ」と叫び退場する。
アイーダは舞台に一人残り、愛する人が祖国を攻撃する苦しみ『勝ちて帰れ』を歌う。

勝ちて帰れ
Ritorna vincitor』
アイーダ:レオンティン・プライス(1927-)

-第2場- メンフィスのヴルカーヌス神殿

ラダメスと巫女たちが、勝利を祈る。
ラダメスは聖剣を祭司長ラムフィスから与えられ、聖なる武具を装着する。

【第2幕】
-第1場- アムネリスの館の広間

エジプト軍がエチオピアの侵略軍に勝利したとの一報に、王女アムネリスが女奴隷たちに囲まれて祝宴の準備している。
そこへ、ラダメスと祖国への狭間で苦悩するアイーダが入ってくる。

アムネリスは、ラダメスは戦死したと嘘をつきアイーダの本心を探る。アイーダの態度からライバルであることを怒り、憎悪と復讐心に燃えるアムネリス。アイーダは自分の身分を明かそうとするが、思い直し自分の残酷な運命を嘆く。

-第2場- テーベの城門

(最も有名で、最も華やかな場面)
ファラオを始めとするエジプトの王族や重臣たち、ラムフィスを始めとする司祭たち、そしてエジプトの民衆や奴隷のアイーダまでもが祖国と神を称えながら凱旋門の前に集まり、勝利のファンファーレが響く。

民衆たちの祝勝の合唱、司祭たちの神々への讃歌が歌われ、兵士たちの凱旋、戦車や軍旗や神々の像、戦利品の数々も行進や祝福の舞踊、そして指揮官ラダメスの威風堂々たる凱旋が行われる。

『凱旋行進曲
Gloria all’ Egitto, Marcia trionfale』

ラダメスは「戦利品」として、エチオピア軍の捕虜たちをエジプト王ファラオの前に連れ出し、捕虜の釈放を国王に願う。
捕虜の中には、エチオピア王は死んだと嘘をついて身分を隠すアイーダの父、エチオピア王アモナズロもいる。

祭司長ラムフィスはアモナズロを人質として残すことを条件に、捕虜釈放に同意。国王はラダメスに娘アムネリスを与え、次代国王に指名する。

勝ち誇る王女アムネリス、「エジプトの王座でさえも、アイーダの心ほどの価値はない。」と嘆くラダメス、絶望に沈むアイーダ、復讐戦を画策するアモナズロが、エジプトの栄光を讃える大合唱と共に歌う。

第3幕】ナイル川の岸辺、イシス神殿の近く

王女アムネリスは、ラダメスとの婚礼を翌日に控え、ラダメスの心が自分に向くよう夜明けまで祈るべく、司祭長ラムフィスらとともにナイル川の岸辺にあるイシス神殿へ入っていく。

アイーダがラダメスとの密会のために人目を忍んで現れ「これがラダメスとの最後の別れになるなら、ナイル川に身を投げよう」と嘆き、祖国への愛を歌う。

『おおわが故郷
O Patria Mia』
アイーダ:アンナ・ネトレプコ(1971‐)

そこへ捕虜となっているエチオピア王アモナズロが現れ、ラダメスから次のエジプト軍の動きを聞き出すようにアイーダに命じる。
アイーダは迷いつつもラダメスに「共にエジプトを離れよう」と頼み、「再び総司令官となって勝利し、アイーダとの愛をファラオ王に話す」と言うラダメスだったが、アイーダの説得に応じる。
ラダメスが最高機密であるエジプト軍の行軍経路を口にすると、アモナズロが登場し、自らエチオピアの王であることを明かす。
ラダメスは祖国を裏切ったことに気付き、軽率を悔いる。

そこへ王女アムネリス、司祭長ラムフィスたちが衛兵をて連れて現れる。
ラダメスはアイーダとアモナズロを逃がし、自らの意思でそこに留まり身柄を拘束される。

【第4幕】

-第1場- 王宮の広間

囚われの身となり裁判を待つラダメスに、王女アムネリスは「アイーダを諦め自分の愛を受け容れてくれるならば、あなたの命が救われるように頼みます。」と言うが、ラダメスはそれを拒絶。
ラダメス救済をあきらめるアムネリスだが、彼を愛する自分に気づき悲嘆に暮れる。

そしてラダメスには地下牢に生き埋めの刑が決定する。

-第2場- 下層はヴルカーヌス神殿の地下牢、上層は神殿

ラダメスは一切の弁明や命乞いもせず、ヴルカーヌス神殿の地下牢へ入っていくと、そこには逃亡したはずのアイーダが待っている。彼女は判決を予想してここに潜んでいたのだと言う。

運命の石が閉ざされ
La fatal pietra sovra me si chiuse』
ラダメス:ヨナス・カウフマン(1969-)
アイーダ:アンニャ・ハルテロス(1972-)

そこへ巫女たちのフター神を讃える歌が聞こえる。
二人は現世への別れの二重唱を歌いつつ、天国での永遠の愛を誓い眠りにつく。

地上の神殿ではアムネリスが愛するラダメスの冥福を祈り幕がおりる。

さらばこの世よ 涙の谷よ
O terra addio』
ラメダス:プラシド・ドミンゴ(1941‐)
アイーダ:アプリーレ・ミッロ(1958‐)
アムネリス:ドローラ・ザジック(1952-)

その他

・この演目はスペクタクル・オペラとして野外や大きな体育館などが会場に使われ、第2幕 凱旋の場では本物の象や大蛇・麒麟などの実際の動物が登場したり、第3幕 ナイル河畔の場では舞台上の水路に小舟を浮かべて歌手をそこに載せる等視覚的に派手な演出が多い。

・”アイーダトランペット”
「凱旋のマーチ」のため特注されたファンファーレ・トランペット。

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時代考証を丁寧に行い作曲に取り組んでいたヴェルディは、エジプトらしい表現としてルーブル美術館に収蔵されていた古代の楽器をモデルに製作された。約1.2mと長大でピストンバルブが1本のみのまっすぐな形が従来のモデル。調はBナチュラル管とA♭管の二種類が同時に使われた。

オリジナルの1本バルブ楽器は演奏が非常に難しく、1980年にザルツブルグ音楽祭で上演するためウィーン・フィルから依頼されヤマハが、3本式ロータリートランペットをまっすぐにした全長約 1m、調はC管の楽器を製作し、大成功を収めた。


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