クラシック音楽情報
【音楽家の誕生日 一覧】
アレクサンドル・ポルフィーリエヴィチ・ボロディン
Alexander Porfiryevich Borodin
Алекса́ндр Порфи́рьевич Бороди́н
[ 作曲家 / ロシア ]
1833年11月12日-1887年2月27日 53歳没
ロシア5人組の一人。
「韃靼人の踊り」で知られ、化学者、医師でもある作曲家。
【ロシア5人組】19世紀後半のロシアで民族主義的な芸術音楽の創造を志向した作曲家集団。以下の5人からなる。
ミリイ・バラキレフ（1837-1910）
ツェーザリ・キュイ（1835-1918）
モデスト・ムソルグスキー（1839-1881）
アレクサンドル・ボロディン（1833-1887）
ニコライ・リムスキー＝コルサコフ（1844-1908)
生涯
1833年 サンクトペテルブルク、現在のジョージア（旧グルジア）に領地を持つ貴族グルジアの貴族の非摘出子として生まれる。
父の農奴ポルフィーリイ・ボロディンの子として入籍し、母に育てられた。実父、養父、母のいずれからも愛情をもって養育され、恵まれた教育を受けて幼い頃から楽才を示し、9歳で作曲を始めた。
1850年17歳 ペテルブルグ医科大学へ入学。軍医になるための研鑽を積むが、この頃から音楽、化学に対する傾倒も強くなった。
1856年23歳 医科大学を卒業し、陸軍病院へ勤務。
翌年からドイツ、イタリアなどへ長期遊学。
1859年26歳 ハイデルベルク大学（化学専攻）入学。元素理論を確立し、周期表を提案したメンデレーエフ(1834-1907)と知り合う。
1862年29歳 大学を卒業し帰国。
サンクトペテルブルク大学医学部生化学の助教授、のちに教授となる。
大学敷地内の一角に自宅を構え、遊学中に知り合ったピアニストである妻と共に生涯をその家で過ごした。
ボロディン反応（ハロゲン化アルキルの合成法、ハンスディーカー反応の別名）、臭化ナトリウムを用いた有機窒素の定量法を発見するなど有機化学の研究家として多大な業績を残し、女性の医学教育の向上を目指す社会運動に奔走した。高名な化学者として多忙な生活の合間に作曲活動を行った。
ヨーロッパ遊学中の1862年頃バラキレフ（1837-1910）と出会い、彼のもとで『交響曲第1番』を作曲。
「5人組」は1856年にバラキレフとキュイ（1835-1918）が出会い、1857年ムソルグスキー（1839-1881）、1861年リムスキー＝コルサコフ（1844-1908)が参加。ボロディンは1862年29歳で参加した。
1869年36歳 バラキレフ指揮により『交響曲第1番』が初演され成功をおさめる。
同年、オペラ『イーゴリ公』、『交響曲第2番』に着手。
1877年44歳 『交響曲第2番』初演が失敗。その後ボロディン自身が改訂し1879年リムスキー＝コルサコフの指揮により成功をおさめた。同曲は、1880年ヴァイマールでのドイツ初演をフランツ・リスト(1811-1886)が手掛け、ボロディンの名をヨーロッパに広めた。
『交響曲第2番』(1877)
指揮：カレル・マーク・チチョン(1971‐)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
2つの交響曲（1867、1877）、弦楽四重奏曲第2番(1881)、S.ラフマニノフ(1873-1943)が録音を残しているピアノ曲『スケルツォ 変イ長調』(1885)などがよく演奏される。
『スケルツォ 変イ長調』
ピアノ：S.ラフマニノフ(1935年録音)
年齢や立場を越えて多くの人たちから慕われた人格者だった彼の作品は、力強い叙事詩的性格と豊かな和声が特色で、C.ドビュッシー(1862-1918)やM.ラヴェル(1875-1937)らに影響を与えたが、多様な分野において活躍し多忙で短命であったことから、作品点数は決して多くはない。
代表作のオペラ『イーゴリ―公』は、18年の歳月を費やしたが未完に終わり、ボロディンの死後リムスキー＝コルサコフとグラズノフが補筆して完成した。第2幕の『ポロヴェッツ（韃靼人の躍り』は特に広く知られている。
1887年2月27日53歳 謝肉祭パーティーの席上、動脈瘤の破裂で突然倒れ、そのまま亡くなった。
サンクトペテルブルクのアレクサンドル・ネフスキー大修道院のチフヴィン墓地に眠る。
『弦楽四重奏 第2番』
ボロディン弦楽四重奏団
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