9月25日1906年【D.ショスタコーヴィチ】

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ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
Дмитрий Дмитриевич Шостакович
Dmitrii Shostakovich

[ 作曲家 / ソビエト ]
1906年9月25日-1975年8月9日 68歳没
政治に翻弄され波瀾万丈の人生を送った20世紀最大の作曲家の一人


ショスタコーヴィチ 引き裂かれた栄光

 

『ピアノ協奏曲 第2番 Op.102』(1957)
ピアノ:ショスタコーヴィチ


生涯

1906年 ロシア帝国の首都サンクトペテルブルクに生まれる。
1915年9歳 ピアノのレッスンを始める。
1916年10歳 グリャッセール音楽学校に入学。
1919年13歳 ロシア革命が起こり、第一次世界大戦が終戦、激しい内戦が繰り広げられていたころ、ペテルブルク音楽院に入学し作曲とピアノを専攻。
1923年17歳 映画のピアノ伴奏者の試験に合格し、映像に合わせて即興でピアノを演奏するアルバイトに就く。音楽院のピアノ科を修了。
また、この頃からサッカーに傾倒し、その後も創作意欲の源となり、審判の資格を取るなど生涯にわたって熱中した。
1925年19歳 音楽院を卒業。修了制作として『交響曲第1番』を作曲。
1926年5月16日『交響曲第1番』初演。
この曲を聴いたベルリン市立歌劇場の音楽監督だったブルーノ・ワルターに認められ、翌年11月国外での初演が実現。その後「現代のモーツァルト」として、ソ連のみならずヨーロッパ西側に評判が広まる。

1927年1月20歳 第1回ショパン国際ピアノコンクールにソ連代表の一人として出場し、入賞。
1932年26歳 科学者ニーナ・ヴァルザルと結婚。
1934年28歳 ニーナに献呈したオペラ『ムツェンスク郡のマクベス夫人』(1932)初演。その後スターリン政権のもと、ソ連共産党中央委員会機関紙「プラウダ」で非難され、命の危険にも及ぶ窮状に陥る。

1937年31歳 レニングラード音楽院の講師となる。
同年『交響曲第5番』初演。ソ連当局から絶賛を受けるなど大成功をおさめ、名誉を回復。

『交響曲 第5番 Op.47』
指揮:ムラヴィンスキー(1903-1988)
レニングラード・フィルハーモニー交響楽団

1939年33歳 ムソルグスキー生誕100周年記念祭の準備委員会の委員長となる。音楽院で教授に就任。
1940年5月 労働赤旗勲章受章。彼の室内楽の代表作品となる『ピアノ五重奏曲Op.57』がスターリン賞を受賞。

『ピアノ五重奏曲 Op.57』
ピアノ:グレン・グールド(1932-1982)

1941年35歳 『交響曲 第7番』作曲。翌年の初演は成功を収め、その後スターリン賞第1席を得る。レニングラード音楽院教授を辞任。
1942年36歳 ロシア共和国功労芸術家の称号を授与。

『交響曲 第7番 Op.60 “レニングラード”』
指揮:ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン(1960‐)
シカゴ交響楽団(2014年演奏)

1943年37歳 モスクワ音楽院教授に就任。国歌コンクールに参加。
1946年40歳 レーニン勲章受章。

1953年3月5日 スターリンが74歳で死去。共産党による一党独裁体制と芸術表現への当局の介入が続いたものの、芸術家への縛りは軽くなっていき、彼の作品は芸術性を高めていく。
同年12月17日に初演された『交響曲第10番』は、「”社会主義リアリズム”であるか」「純粋に音楽的か」と、いわゆる第10論争として大論争を巻き起こし、世界中に大きく報道された。

『交響曲 第10番 Op.93』第2楽章
指揮:ジャナンドレア・ノセダ(1964‐)

1958年52歳 2曲のピアノ協奏曲や『24の前奏曲とフーガ』など、自作の初演・録音においてピアノ演奏を行っていたが、脊椎性小児麻痺による右手の麻痺により、ピアノを弾くことが出来なくなる。

1961年55歳 ソビエト共産党員となり、入党と引き替えにレニングラード音楽院大学院での教育活動に復帰。
1975年8月5日 亡くなる4日前に『ヴィオラソナタ Op.147』最終校訂を完了。

『ヴィオラソナタ Op.147』
ヴィオラ:Y.バシュメット(1953‐)
ピアノ:S.リヒテル(1915-1997)

1975年8月9日68歳 ソ連の首都モスクワの病院にて『ヴィオラソナタ』を聴くことなく肺ガンで逝去。8月14日、ノヴォジェヴィチ墓地に埋葬された。

作品

J.S.バッハやベートーヴェンマーラーの交響曲、などの影響が見られ、60代を過ぎて十二音技法やトーン・クラスターなど、前衛的な作品など、死の直前まで意欲的に作曲した。
戦争や生死などをテーマとした重い作品が多い一方、『交響曲第9番』や『ジャズ組曲』のような軽妙な作品など、15の交響曲、3つのバレエ音楽、3つのオペラ音楽、ピアノ組曲プレリュードとフーガ、オペレッタ『モスクワ―チェリョームシキ』、映画音楽、交響詩など数多くの作品をのこした。

 

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