9月25日1932年【G.グールド】

クラシック音楽情報
音楽家の誕生日 一覧

グレン・ハーバート・グールド
Glenn Herbert Gould

[ ピアニスト/カナダ ]
1932年9月25日 – 1982年10月4日 50歳没
31歳でコンサート活動を封印し、録音録画のみを行いました。
50歳という若さで逝去し、今なお熱狂的なファンを持つ 20世紀でもっとも個性的なピアニストです。


グレン・グールド 坂本龍一セレクション

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1955年録音)

真夏でも手袋とマフラーを手放さず、極端に低い椅子に座り唸りながら演奏する姿から奏でられる音楽は強烈な個性を放っている。それは前例のないアプローチであるが、深い楽曲分析により多くのものを魅了する。
没後40年近く経ても、ドキュメンタリー映画が公開され、本人の著作や伝記・研究書は多く読まれ、高い演奏技術と芸術性を持つ彼のピアノ演奏に、今なおクラシック音楽のジャンルを超えてファンは増え続けている。

 

生涯

1932年 カナダのトロントに、声楽、ヴァイオリンを愛好する父と、声楽の教師の母のもとに生まれる。
1935年3歳 母親からピアノの手ほどきを受け、楽才を示す。
1940年 トロントの王立音楽院に合格。同院で、音楽理論、オルガン、ピアノを習う。
1944年11歳 地元トロントでのピアノ演奏のコンペティションで優勝。
1945年にオルガン奏者としてデビュー。同年には、カナダ放送協会によりグールドのピアノ演奏が初のオンエア。
1942年10歳 トロント音楽院でオルガン、ピアノ、理論を学ぶ。
1946年5月13歳 トロント交響楽団とベートーヴェン『ピアノ協奏曲 第4番』を協演し、ピアニストとして正式デビュー。
同年10月 トロントの王立音楽院を最年少で最優秀の成績で卒業。
1947年14歳 初リサイタルを行う。
1955年1月22歳 大成功をおさめたアメリカデビュー公演の直後に米CBS(現ソニー・クラシカル)と専属録音契約を結ぶ。
同年、プロデューサーなどの反対を押し切り、バッハの『ゴールドベルク変奏曲』を録音。
1956年24歳 デビューアルバム、バッハ『ゴールドベルク変奏曲』発売。ルイ・アームストロングの新譜を抑えてチャート1位を獲得。従来のバッハ演奏と異なる演奏は一大センセーショナルとなった。

ー1957年25歳 ソビエト連邦およびヨーロッパへの演奏旅行を行う。
第2次大戦以降、ソ連へ初めて演奏旅行を行った北米の音楽家であり「バッハの再来」と賞賛を浴びる。
1959年27歳 ザルツブルク音楽祭に出演。
カラヤン(1908-1989)、ストコフスキーらとも共演。奇抜ともいえる演奏解釈が伝統的で保守的なヨーロッパにおいても大絶賛を受け、世界的なピアニストとしての地位を確立する。
1960年28歳 スタインウェイ社の技術者から肩に傷害を受けたとして、同社を告訴。その後、スタインウェイ社は賠償金を支払った。

20代は、北米全土、モスクワ、ベルリン、ウィーン、ザルツブルク、ロンドン等に演奏旅行に赴き、カラヤン、バーンスタイン、セル、クリップスなど錚々たる指揮者たちとも共演して名声を築く。

1964年4月31歳 かねてより演奏の一回性へ疑問を呈し、ステージよりも録音・放送スタジオを好み、4月のリサイタルを最後に演奏会活動を引退。
これ以降没年まで、レコード録音、ラジオ、テレビなどの放送媒体のみを音楽活動の場とする。
同年 トロント大学法学部より、名誉博士号を授与。
1967年35歳 カナダ放送協会(CBC)が、グールドの製作したラジオドキュメンタリー「北の理念(The Idea of North)」を放送。その後も「遅れてきた者たち」「大地の静かな人々」などラジオドキュメンタリーが放送。

バッハ:協奏曲第7番
ピアノ:G.グールド
指揮:ウラディミール・ゴルシュマン(1893-1972)
トロント交響楽団(1967年11月演奏)

彼のモーツアルト作品の演奏は、一般的な演奏よりテンポが遅く、ノンレガートを多用している。

モーツアルト:ピアノソナタ第13番K.333(1967年3月放送)

モーツアルト:トルコ行進曲

1977年45歳 グールド演奏によるバッハ『平均律第2巻 前奏曲とフーガ第1番ハ長調』の録音が、地球の人類の文化的傑作として宇宙船ボイジャー1号・2号にゴールデン・レコードとして搭載される。
1981年49歳 バッハ『ゴールトベルク変奏曲』を再録音。

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年録音)

1982年
9月2日 リヒャルト・シュトラウス『ピアノ・ソナタOp.5』録音。
9月8日 リヒャルト・ワーグナーのジークフリート牧歌をトロント交響楽団で指揮・録音。
9月27日50歳 脳卒中によりトロント総合病院に緊急入院。
10月4日 父親の判断により延命措置が停止され、息を引き取る。遺体はトロントにあるマウント・プレザント墓地に埋葬された。墓石にはゴルトベルク変奏曲の一節の楽譜が刻まれている。


映画「グレン・グールドをめぐる32章」 [DVD]

1993年製作/カナダ
原題:Thirty Two Short Films about Glenn Gould

映画「グレン・グールド天才ピアニストの愛と孤独」
2009年製作/カナダ
原題:Genius Within: The Inner Life of Glenn Gould


グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独 [DVD]

ベートーヴェン:ピアノソナタ第30番Op.109


グレングールド、音楽、精神

ベートーヴェン:ピアノソナタ第29番Op.106”ハンマークラヴィーア”

クラシック音楽情報LuckOn

 

関連記事

  1. 4月5日1908年【H.v.カラヤン】

  2. 11月1日1905年【井口 秋子】

  3. 12月16日1932年【山本 直純】

にほんブログ村 クラシックブログへ

error: Content is protected !!