ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
Koninklijk Concertgebouworkest

【本拠地】オランダ アムステルダム
【ホール】アムステルダム コンセルトヘボウ
【設立年】1888年
公式HP

オランダが、パリ、ウィーン、ベルリンといった大都市に対抗して首都アムステルダムに創設されたオーケストラ。英語表記のRoyal Concertgebouw Orchestraの頭文字を取り「RCO」と表記される。旧称アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団。

歴史

コンセルトヘボウとはオランダ語で「コンサートホール」を意味する言葉。
1888年、アムステルダムに本格的なコンセルトヘボウがオープンし、コンセルトヘボウの専属オーケストラとして「アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団」が結成された。(現在、オーケストラとホールは別法人として運営)

ウィレム・ケスが初代常任指揮者として草創期の指導にあたり、続く第2代のウィレム・メンゲルベルク(1871~1951)は24歳の若さで1895年より1945年まで半世紀にわたり楽団に尽力し、一躍世界的オーケストラへと躍進させた。
リヒャルト・シュトラウス(1864‐1949)は自作の交響詩『英雄の生涯』をこのコンビに献呈している。マーラー(1860‐1911)は1903年に初めて訪れ、その後自作をはじめ度々指揮した。マーラー没後には1920年5月に世界で初めての「マーラー音楽祭」を催し、コンセルトヘボウのマーラー演奏の伝統を確立していった。
1922年にはフランス音楽祭、1924年にはリヒャルト・シュトラウスの「還暦」を祝うR・シュトラウス音楽祭を開催している。

1945年、第二次世界大戦が終結すると、メンゲルベルクは大戦中ナチス・ドイツへの親独行為を理由にオーケストラを追放され、復帰することなく1951年、亡命先のスイスで没した。
メンゲルベルクの後任には、ベイヌムが就任。
1959年、ベイヌムはわずか57歳の生涯を閉じ、ベルナルト・ハイティンク(1929-)が30歳で常任指揮者に抜擢。オイゲン・ヨッフムが補佐として常任指揮者に加わったが、1964年よりハイティンク一人が常任指揮者を務めた。ヨッフムはその後も死の直前まで客演指揮者として数多く共演した。

1988年、創立100周年を迎え、当時のベアトリクス女王より「ロイヤル」(Koninklijk:王立)の称号を授与され、現在の名称「ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団」に改称。
同年、ハイティンクに代わり、イタリア人のリッカルド・シャイー(1953-))がオランダ人以外で初めて常任指揮者となった。
2004年9月からはマリス・ヤンソンス(1943‐)が常任指揮者に就いた。
同年、自主制作レーベル「RCOレーベル」を設立し、全作品SACDハイブリッドで発売を開始。
ヤンソンスの後任ガッティは、2018年8月セクハラ問題で解任された。

活動

20以上の国から選りすぐられた120人で構成される団員によって、アムステルダムのコンセルトヘボウにおける年間80回ほどのコンサートのほか、アムステルダム歌劇場でも定期的に出演し、毎年世界各地の主要ホールで40か所ほどの主要なホールで演奏している。

R・シュトラウス、マーラーのほか、ストラヴィンスキーらを指揮者として迎えた伝統はその後も受け継がれ、バーンスタイン、ジョン・アダムス、ジョージ・ベンジャミン、タン・ドゥンなど、新進作曲家を自作の指揮者として積極的に招聘し、シーズン毎にフェスティヴァルを開催している。

これまでに1100タイトル以上のLP、CD、DVDをリリース、その多くが国際的に高い評価を得ており、名盤を生み出している。
2004年には、独自のレーベル「RCO Live」を開始。
また、iPad・iPhoneのための画期的なアプリ「RCO Editions」が提供されている。

どんなタイプの指揮者を迎えても、高貴な音色を奏でるこのオーケストラは、弦楽器セクションは「ビロードのよう」、金管楽器セクションは「黄金の響き」、木管楽器の音質は「際だって個性的」と賞され、打楽器セクションには国際的な定評があり、大編成の重厚さに、艶やかさを併せ持った繊細で美音、芳醇な響きで音楽を作る。
イギリスの音楽雑誌「グラモフォン」や日本の「レコード芸術」誌が発表するオーケストラ・ランキングでは、ベルリン・フィルウィーン・フィルと共に常にベスト3を占め続けている。
得意のベートーヴェンでは、ヨッフム、ハイティンク、サヴァリッシュとスタジオ録音で、メンゲルベルク、イヴァン・フィッシャーとはライブ録音で交響曲全集を完成している。

『ベートーヴェン:交響曲全集』
イヴァン・フィッシャー指揮
ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団
2013年5月11日~2014年2月21日ライブ録音
2015年度 「第53回」 レコード・アカデミー賞

ベートーヴェン : 交響曲全集

2013年、創立125周年を記念して1年で6つの大陸を訪れた世界一周ツアーは、エディ・ホニグマン監督によって映画化された。
ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る

首席指揮者

ウィレム・ケス(1888-1895)
ウィレム・メンゲルベルク(1895-1945)
エドゥアルト・ファン・ベイヌム(1945- 959)
オイゲン・ヨッフム(1961- 1964)
ベルナルト・ハイティンク(1961-1988)
リッカルド・シャイー(1988-2004)
マリス・ヤンソンス(2004-2015)
ダニエレ・ガッティ(2016-2018)

ホール

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の本拠地として使用されている「コンセルトヘボウ」は、アムステルダムに大ホールがなかった1800年代に、文化人や政治家たちがコンサートホールの必要性を叫び、アムステルダム国立美術館(1885年完成)や中央駅の設計者ピエール・カイペルスなどによってホール建設準備委員会が組織され、A.L.ファン・ヘントの設計により1888年4月11日に落成した。
ネオ・ルネサンスと新古典主義を折衷した、威容あるファサードが特徴的なホールは、ボストンのシンフォニーホール、ウィーンのウィーン楽友協会と同様に、戦前からの姿をそのままに伝える音響の優れたシューボックス型のコンサートホールとして広く知られる。
大ホールは座席数2037席、残響時間は観客なしで2.8秒。
小ホールは座席数478席で、アンサンブルの演奏会が中心である。 【公式サイト

イヴァン・フィッシャー(1951年-)指揮
ベートーヴェン:交響曲第7番 2014年1月

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