【アリア(1987)】-音楽を題材にしたフィクション映画

アリア

[原題]Aria
[製作年]1987年
[製作国]イギリス
[上映時間]96分
[ジャンル]音楽/オムニパス


アリア HDマスター版 [DVD]

オペラの中で抒情的な独唱「アリア」。
ヴェルディ、リュリ、コルンゴルト、ラモー、ワーグナー、プッチーニ、ギュスターヴ・シャルパンティエ、レオンカヴァッロの8人の作曲家の10のオペラ・アリアを題材に、ジャン=リュック・ゴダール、ロバート・アルトマン、ケン・ラッセル、デレク・ジャーマン、ニコラス・ローグ、ジュリアン・テンプルら10人の監督たちが、それぞれの解釈で斬新に映像化したオムニバス映画。

『仮面舞踏会』 Un ballo in maschera

歌劇《仮面舞踏会》より
[作曲]ジュゼッペ・ヴェルディ
[監督]ニコラス・ローグ
[撮影]ハーヴィー・ハリソン
[編集]トニー・ローソン
[出演]テレサ・ラッセル

オペラは18世紀の暗殺事件が題材だが、1931年のアルバニアのゾグ王暗殺事件に翻案。
ローグ監督の妻テレサ・ラッセルが男装をしてゾグ王を演じる。

『運命の力』 La Virgine degli angeli

歌劇《運命の力》より「天使の中の聖処女」
[作曲]ジュゼッペ・ヴェルディ
[監督]チャールズ・スターリッジ
[撮影]ゲイル・タタソール
[編集]マシュー・ロングフェロー
[出演]ニコラ・スウェイン/ジャクソン・カイル

路端のメルセデスを盗んだ3人の子供たちの悲劇を美しいモノクロ画面で描く。

『アルミードとルノー』 Armide

叙情悲劇『アルミード』より
[作曲]ジャン=パティスト・リュリ
[監督・脚本・編集]ジャン=リュック・ゴダール
[作詞・台詞]フィリップ・キノー
[オーケストラ指揮]フィリップ・ヘレヴェッヘ
[撮影]カロリーヌ・シャンプティエ
[出演]マリオン・ピーターソン/ヴァレリー・アラン/ボディビルダーたち

作曲家ジャン=バティスト・リュリと、詩人・俳優のフィリップ・キノーの作品、叙情悲劇『アルミード』(1686年)をもとに、舞台を300年後の1987年当時の現代、スポーツ・センターに移し描く。

もともとイタリアの詩人トルクァート・タッソが1575年に書いた叙事詩『解放されたエルサレム』を下敷きにしている。アルミードのモデルを、古代ギリシアの詩人ホメーロスが紀元前8世紀、叙事詩『オデュッセイア』に描いた魔女キルケーとしており、魔女アルミードは、ムスリムと闘うキリスト教徒の十字軍の騎士たちを誘惑する。
ゴダールもタッソの「アルミード」をベースにしており、それはパレスチナの問題も提起している。

場所は現代のジム。マシンで鍛えるボディ・ビルダー3名と、掃除や皿洗いをしている半裸の女性2名が、そして音楽と現実の音が、それぞれ交差し、絡みあう。

『リゴレット』 Rigoletto

歌劇《リゴレット》より抜粋
[作曲]ジュゼッペ・ヴェルディ
[監督]ジュリアン・テンプル
[撮影]オリヴァー・ステイプルトン
[編集]ネイル・アブラムソン
[出演]バック・ヘンリー/ベヴァリー・ダンジェロ/アニタ・モリス

映画プロデューサーと妻が、奇怪なモーテルで隣り合わせとは知らず浮気に励む行状をコミカルに描き出す。

『死の都』 Die tote Stadt

歌劇《死の都》より「私に残された幸せは」
[作曲]エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト
[監督]ブルース・ベレスフォード
[撮影]ダンテ・スピノッティ
[編集]マリー・テレーズ・ボワシュ
[美術]アンドリュー・マッカルパイン
[出演]エリザベス・ハーレイ/ピーター・バーチ

亡き妻に似たダンサーと官能的ロマンス。死の雰囲気を漂わせる街ベルギーのフルージュに住む男は亡き妻が忘れられない。ある日彼女にそっくりなダンサーに会い、家につれて帰り、かつて妻の演奏に合わせて歌ったリュートを贈る。

『アバリス』Les Boréades

歌劇《レ・ボレアド》より
[作曲]ジャン=フィリップ・ラモー
[監督・編集]ロバート・アルトマン
[撮影]ピエール・ミニョー
[美術]スティーヴン・アルトマン
[出演]ジュリー・ハガティ/ジュヌヴィエーヴ・パージュ/サンドリーヌ・デュマ/クリス・カンピオン/ベルニー・ボンヴォワザン/フィリピーヌ・ルロワ=ボリュー

18世紀には、一般人が料金を払い精神病院を見学することができた。貴族の気まぐれの楽しみのために、患者たちがオペラに参加させられることもあった。
奇抜なメイクと衣装の観客達がオペラハウスを埋め尽くす。

『愛の死』 Liebestod

楽劇《トリスタンとイゾルデ》より「愛の死」
[作曲]リヒャルト・ワーグナー
[監督]フランク・ロッダム
[撮影]フレデリック・エルムズ
[編集]リック・エルグッド
[美術]マシュー・C・ジェイコブズ
[出演]ブリジット・フォンダ/ジェイムズ・メイザーズ

愛と死をテーマにした『トリスタンとイゾルテ』。ラスベガス、ネバダの砂漠。死を覚悟した10代のカップルが明るい一室で最後の情事。ヒロインはこれがデビュー作のブリジット・フォンダ。

『トゥーランドット』 Nessun dorma

歌劇《トゥーランドット》より「誰も寝てはならぬ」
[作曲]ジャコモ・プッチーニ
[監督]ケン・ラッセル
[撮影]ガブリエル・ベリスタイン
[編集]マイケル・ブラッドセル
[出演]リンジー・ドリュー、アンドレアス・ヴィスニェフスキ

自分を縛っている邪悪な惑星土星の輪から少しずつ逃れようとする若い女性。神官と3人の巫女たちによって体中に宝石がつけられていく半裸の女性の描写。 宝石に身を飾られるカラフルなセットと衣装で描き出す。それはムスタングで事故を起こし、生死をさまよう女性の幻想だった。ケン・ラッセルらしいカラフルな映像。

『ルイーズ』 Depuis le jour

歌劇《ルイーズ》より「その日から」
[作曲]ギュスターヴ・シャルパンティエ
[監督]デレク・ジャーマン
[撮影]マイク・サウソン
[編集]ピーター・カートライト/アンガス・クック
[出演]ティルダ・スウィントン/スペンサー・リー

最後の舞台を務める老いた歌姫が花吹雪の中、若き日の恋を思い出す。8mmフィルムでジャーマンならではのノスタルジックな映像。

『道化師』 Pagliacci

歌劇《道化師》より「衣装を着けろ」
[作曲]ルッジェーロ・レオンカヴァッロ
[監督]ビル・ブライドン
[撮影]ガブリエル・ベリスタイン
[編集]マリー・テレーズ・ボワシュ
[出演]ジョン・ハート、ソフィー・ウォード

全エピソードをつなぐ役割を果たすジョン・ハート演じる男が道化師に扮し、カルーソの歌声に合わせ、舞台に上り自分の人生をふり返る。舞台で演じる役と実像が重なる。顔で笑って心で泣いて・・・。

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