【チェリビダッケの庭(1996)】‐音楽を題材にしたドキュメンタリー映画

クラシック音楽情報【音楽映画-ドキュメンタリー】

チェリビダッケの庭

[原題]Sergiu Celibidache’s Garden
[監督・脚本・編集]イオアン・チェリビダーキ
[撮影]ブライアン・フック
[出演]セルジュ・チェリビダッケ
[製作年]1996年
[製作国]フランス
[上映時間]147分
[ジャンル]ドラマ


チェリビダッケの庭 (Sergiu Celibidache’s Garden – A Serge loan Celebidachi Film) [DVD]

波乱万丈の人生を送ってきたクラシック界最高の指揮者セルジュ・チェリビダッケ(1912~1996)。晩年の彼が、自らの音楽体験を若い学生やオーケストラそして聴衆にメッセージとして伝えていくドキュメンタリー。監督・脚本・編集を行ったセルジュ・イオアン・チェリビダーキ(1968年‐ )はチェリビダッケの実の息子で、映像作品の制作のほか、チェリビダッケ財団の運営、父親の録音遺産のリリース管理を行っている。劇中曲の指揮はチェリビダッケ、演奏はミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団。チェリビダッケは今世紀最高の巨匠のひとりで、レコーディングを嫌い、生涯生演奏至上主義を貫いた。本作ではパリ郊外の自宅ですごすプライベートや、後進の指揮者に対する指導の模様、オーケストラ・リハーサルなどから、彼の情熱、音楽観、そして人生観などがうかがえる。

映画の中で、父親であるチェリビダッケはドキュメント撮影の対象であると同時にドラマの主人公にもなっており、監督はこの作品を「ドキュドラマ」と称している。禅問答にも例えられるチェリビダッケの言葉を、限られた文字数の範囲で日本語字幕に訳すのは、相当の意識の集中と勇気を要するが、極めて楽しみな仕事であった。
映画では、芸術家としての信条やブルックナーの音楽についての思いが、チェリビダッケ自身の口から雄弁に語られていく。指揮者のドキュメントは多々あるが、このような映像作品をもつ指揮者はチェリビダッケのみであろう。
(「チェリビダッケの庭」訳者 石原良也)

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