8月1日1923年【中田 喜直】

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中田 喜直
なかだ よしなお

[ 作曲家 / 日本 ]
1923(大正12)年8月1日-2000(平成12)年5月3日 76歳没
日本人ならば必ず歌ったことがある『夏の思い出』『めだかのがっこう』『雪のふるまちを』など、世代を超えて親しまれる歌曲、ピアノ曲など3000曲近くの作品を残しました。
大学の専攻がピアノだからか、歌曲のピアノパートがどれも素敵です。
父は『早春譜』を作曲した中田章です。

中田喜直 | History of musicの画像

 

生涯

1923年 東京府(現・東京都)に『早春賦』を作曲し東京音楽学校教授であった父、章(1886-1931)の三男として生まれる。
物心ついた頃、父は結核で病床に伏しており、次兄の一次(1921-2001)から音楽を教わる。幼い頃から北原白秋・山田耕筰らの童謡に親しみ、10歳で最初の歌曲を作曲。
1935年12歳 ショパンの伝記映画『別れの曲』(1934・ドイツ)に影響を受けピアニストを志望するようになる。
1940年17歳 青山学院中等部を経て、東京音楽学校(現・東京芸術大学)ピアノ科に入学。
1943年20歳 第二次世界大戦のため繰り上げ卒業。
宇都宮陸軍飛行学校に入校、帝国陸軍航空部隊の戦闘機操縦者となる。陸軍少尉に任官し、四式戦闘機「疾風」を装備する飛行第51戦隊附としてフィリピン戦線やインドネシアに赴く。この間、西条八十編の童謡詩集を肌身離さず持ち歩き繰り返し読んだことが、「敗戦国日本で自分が出来ることは何か」と、戦後の生き方に大きな影響を与えた。
本土で特攻隊要員として終戦を迎える。

1946年23歳 柴田南雄(1916-96)の呼びかけで、芸術を発展向上させるという趣旨のもと結成された音楽家グループ「新声会」(-1950)に入会。團伊玖磨(1924-2001)、戸田邦雄(1915-2003)、入野義朗(1921-80)、石桁真礼生(1916-96)、別宮貞雄(1922-2012)、畑中良輔(1922-2012)らと共に、毎年数回新作を発表した。
1947年24歳 少年時代から愛読していた1927年発行『小学生全集』(西條八十編・日本童謡集)から6人の詩人[西條八十(1892-1970)、小川未明(1882-1961)、竹久夢二(1884-1934)、山村暮鳥(1884-1924)、野口雨情(1882-1945)、三木露風(1889-1964)]の詩による歌曲集『六つの子供の歌』 を「新声会」で発表。代表作となる。
取った。


女声合唱曲集 六つの子供の歌【楽譜】


手が小さいためピアニストの道をあきらめ、後に子供のために鍵盤の幅を細くする「細幅鍵盤運動」を提唱した。
歌曲の伴奏をつとめるかたわら、作曲家としての活動を本格的にスタートさせ、NHK「ラジオ歌謡」や「歌のおばさん」、「えり子とともに」などラジオ番組からの依頼で『夏の思い出』(1949)、『かわいいかくれんぼ』、『雪の降るまちを』(1951)などを生み出す。

1949年26歳 『ピアノ・ソナタ』で第18回音楽コンクール(現日本音楽コンクール)作曲部門室内楽曲で第2位に入賞。1位は一柳 慧(1933-)。
1950年27歳 歌曲集『マチネ・ポエティクによる4つの歌曲』作曲。

1953年30歳 フェリス女学院短期大学音楽科講師に就任(-1993)。1990年から亡くなる2000年まで同大学名誉教授を務める。
プロ合唱団「フェリス女声合唱団」(のちの日本女声合唱団)のために多くの女声合唱曲を作曲。
在任中、教え子の幸子と結婚。
1955年32歳 兄の一次、大中恩(1924-2018)、磯部俶(1917-1998)らと「ろばの会」を結成。亡くなるまで活動を続け、『ちいさい秋みつけた』など数多くの童謡のレコード・楽譜を発表。
1956年33歳 「蜂の会」に参加し、歌曲『サルビア』『おかあさん』などを発表。

『サルビア』
詞:堀内幸枝 作曲:中田喜直
ソプラノ:姫野成美

1965年42歳昭 合唱組曲『都会』が芸術祭奨励賞を受賞。
1969年46歳 日本童謡協会設立に関わる。後にサトウハチローの後任として2代会長に就任(-2000)。
1979年〜2000年 社団法人日本童謡協会会長。
1986年 11月紫綬褒章受章。
1995年 NHK放送文化賞受賞。

全国の小中学校、高等学校の校歌や社歌、自治体のための歌なども多く、3000曲近くといわれる作品の全貌は明らかでない。
女声合唱組曲『美しい訣れの朝』(1963)、混声合唱組曲『馬と風景』、合唱組曲『みえないもの』など、多くの合唱組曲、ピアノ作品では組曲『時間』(1952)、『光と影』(1957)、4手連弾のための組曲『日本の四季』のほか、子供のための曲集『こどものピアノ曲』『小さい手のためのピアノ曲集』『こどものゆめ』などが出版され、無調による前衛的な作風が主流の時期に、親しみやすいハー モニーで多くの人に親しまれている。

『こどものピアノ曲』 17.エチュードアレグロ

嫌煙運動家として知られ、騒音や水質汚染など社会問題や政治問題にも積極的に発言し、読売新聞「気流」欄や朝日新聞「声」欄にたびたび投稿した。

1999年76歳 日本音楽著作権協会60周年特別賞受賞。
2000年 第42回日本レコード大賞日本作曲家協会功労賞受賞。
2000年5月3日76歳 直腸癌により亡くなる。

中田 喜直: 日本の四季 1. 春がきて、桜が咲いて
ピアノデュオFF

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